今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
「プロジェクトのパートナーとしては、〝連れ戻し〟に来たいなと思いました」
「連れ戻し……」
「暁の新商品開発チームの一員として、です」
言葉の選び方は慎重なのに、
その奥にある感情ははっきり伝わってきた。
――この人は、
私を〝自分の隣〟にいてほしいと思ってくれている。
「東京に戻る前日、元婚約者の方とお会いになったと聞きました」
「え」
「姉さんの〝観察日記〟は、なかなか詳細でして」
「お姉さん……!」
思わず空を仰ぐ。
「その方は、〝過去のパートナー〟として、とても大切な人なのだと思います」
快浬さんの声は、どこか遠くを見ているようだった。
「私にも、〝過去の暁〟を一緒に背負ってくれた人たちがいるので」
「……はい」
「ただ」
そこで、ほんの少しだけ言いよどむ。
「もし、あなたが〝今、一緒に未来のキッチンを見たい相手〟を選ぶとしたら」
快浬さんは、ほんの少しだけ息を吸い込んだ。
「その候補に、私を入れてもらえるでしょうか」
胸の奥で、何かが静かに弾ける音がした。
秋人と歩いた川沿いの道。
彼と話した〝過去の夢〟のこと。
そして今、
自分が頭の中で描いている〝これからのキッチン〟のこと。
そのすべてが、一本の線になっていく。