余所者-よそもの-【 2 】
潤と共に乗り込んだマンションのエレベーター。
表示される階数が上がるたびに、だんだん落ち着かなくなってくる。
「潤さん、やっぱり」
「ここまで来て帰るとかねーから」
「でも」
「さっきから何を気にしてんの?」
「だって、家主が居ないのに勝手に上がり込むのはどうかと思うし」
「カナコちゃん家政婦してるじゃん」
「今日は家政婦の日じゃないです」
「……もしかして、ユキと会いたくない?」
潤の鋭い問いかけに、思わず押し黙る。
「理由が気になるところだな。けど、今回のこともユキに黙っとくつもりか?」
「言うつもりはないです」
「なんで?」
「だって、私の問題だし」
「カナコちゃんの問題っていうか、これは店の問題で、店の問題はユキの問題でもあると思うけど」
そうこう話している内に、エレベーターは指定の階に着いてしまった。
わたしはしぶしぶの指さしでユキの部屋まで案内する。
「ここです……」
「ま。どのみちこの時間、ユキは帰ってこねーよ」
潤がそう言うや否や。
合鍵に反応したドアはモーター音を響かせガチャリ、と自動でロックを解除した。
両手の塞がっている潤の代わりに扉を引けば、滑り込むように潤の足が扉を開き、玄関へと上がる。