余所者-よそもの-【 2 】
「おーさすが家政婦の居る家」
潤はまっすぐに歩ける廊下にそんな感想を述べて靴を脱ぐと、ズンズンと廊下を進み、迷わずユキの寝室に入った。
「え、ソファでいいです。身体も汚れてますし」
そう言った私を「いいって、いいって」と適当にあしらってベッドにお尻から着地させるなり、ベッドの脇に膝を付いて屈み、私の靴を脱がせた。
「………」
そのどこまでもの紳士っぷりに、もうなにも言えない。
潤は私の靴を持って部屋を出ると、やがて冷蔵庫から取ってきたであろう冷たいミネラルウォーターのボトルを持って戻ってきた。
「潤さんって、ユキさんの家に来たことあるんですか?」
「引っ越してすぐな。んでも、毎回すぐに散らかるから家に上がるのは最初だけ」
「なるほど」
潤の手元でパキパキ、と音を立てて開けられたペットボトルのキャップ。
差し出された水を一口飲めば、迎えてきた潤の手に渡して、キャップを閉じてもらう。
「さて、横になって」
潤に背中を支えられ、ゆっくりとベッドの上に身体を倒した。
「熱高そうだな」
服の上から触れた背中が熱かったのか、潤は心配そうな顔つきで私に布団を掛けた。
そして近くにあったチェアを持ってくると、ベッドのすぐ脇へと置いてそこに腰掛ける。
「寝れそ?」
「たぶん」
曖昧な返事をした私を潤が朗らかに笑う。