余所者-よそもの-【 2 】
46話:友達
ほどなくして俺たちは、不良共の寝転がった路地裏を離れ、近くの駅の高架下まで移動。
去った脅威に、もっさりメガネは鼻水を垂れ流しながら子供みたいにわんわんとむせび泣いている。
「ううっううう……ありがとう、ありがとう、瑞生くん……。それから、君は?」
しゃくり上げながらそう尋ねてきたヤツと一緒になって俺を見てくる瑞生。
その色素の薄い瞳は、何を考えているのかわからない。
「俺の名前は……潤。お前らと同じ2年だよ」
俺が名乗れば、瑞生は華麗にスルーした。
『よろしく』もなければ『ありがとう』もない。
あっさりと俺から視線を外して、さっきまで自分たちがいた路地裏の方へ、遠くを見つめるように視線を移す。
「さっきの奴らは何?」
誰にいうでもなくぽつりと瑞生が呟いたので、なんだか悔しい俺は少し早口になって教えてやった。
「イタ校の連中だな」
「イタ校?」
「知らねぇ?有名だぜ、隣町の飯田千(イイタチ)高校。名前さえ書けりゃ通るってレベルの男子校。あいつらが『イタチ』って呼ばれてるのに対して、俺らは『カモ』って呼ばれてる」
「なぜ?」
「進学校はボッチャン率が高くなるからな。まぁ実際、カモられてるのはコイツだけじゃねーよ。クラスに何人かは居んじゃね?イタチにカモられてるヤツ」
俺がそこまで話すと、もっさりメガネはいつの間にかすっかり泣き止んでいた。
その表情はもう、憑き物に払われたように晴れ晴れとしている。