余所者-よそもの-【 2 】
――バキッ、
と、まずは向かってきた一人を殴りつければ、その隙を突いてすぐさま俺に飛び掛かってくる次のイタチ。
瑞生が俺の背後を守るようにそのイタチをぶっ叩く。
今度は大きなモーションで振りかぶった瑞生の死角が別のイタチに狙われたので、俺はソイツの鳩尾を蹴り押し、後方へ退けた。
そうやって、言葉のない相互のディフェンス。
俺は瑞生に背を預け。
瑞生は俺に背を預け。
押し寄せてくる敵の内、半数をノした頃だった。
「……おドれらァァァアッ!!止まれェェ!!」
突如、周囲の空気を爆発させるかのように響いた、ドスの効いた声。
イタ校の連中のみならず、俺と瑞生も思わず手を止めた。
声の発生源を辿れば、それはビールケースから立ち上がった、イタチのリーダー格の男だった。
「………」
立ち上がった男の全貌を見て、よくわかる。
二メートル近くあるタッパ。全身を分厚い筋肉で包んだ屈強な身体。
総じて、人間というより獣。
ソイツは巨大な熊のような男だった。
声一つで全員を静止させた熊は、ドスン、と大きな一歩で前に出る。
「ワイがやる……おどれら、どっちが強いんじゃ」
地響きのような声で、俺か瑞生、どちらかとタイマンを張りたいと言ってきた。