余所者-よそもの-【 2 】


俺たちは、放課後や暇な時間があれば、いつでも屋上に集まった。

瑞生――もといユキはだいたい屋上に居たし、真面目なコタコは授業はきっちり出るが、休み時間になればたとえ5分の短い時間でも息を切らせて健気に通いつめてきた。

俺はと言えば、その中間。
ユキほど極端じゃないけどたまのサボりや、長い昼休憩は屋上で過ごした。
短い休み時間は女の子との時間にした。


そして。
あと、ここにもう一人。足繁く通う、馬鹿がいた。

だいたいが昼休憩の、この時間。


「ヌオオオオオオオオオ……!」

屋上にやってきた、巨大な熊。
イタ校番長。

あの日、空地でユキにノックアウトされてからというもの。
コイツはほぼ毎日ユキの元にやってきては、喧嘩を吹っ掛けてきた。

最初は校門の外や街中でのストーカーだった熊は、やがて校内に忍び込むようになり。
いつの間にか、当たり前のようにこの屋上に来るようになった。


俺はうるさい熊に、呆れた口を開く。

「今日はなんだよ」

「決まっとろーが!勝負じゃ!」

「何回目だよお前!しつっけーんだよ!」


だいたいユキは「面倒」と言ってほとんどコイツの相手はしないが、気まぐれに相手をすることがある。
スポーツみたいなノリなんだと思う。

今日はどうだろう?とユキに目をやれば、


「いい加減、金太郎気分も飽き飽きだな」

やれやれ、といった具合でその場に立ち上がる。
今日は相手をしてやる日らしい。

< 127 / 201 >

この作品をシェア

pagetop