余所者-よそもの-【 2 】
俺たちは、放課後や暇な時間があれば、いつでも屋上に集まった。
瑞生――もといユキはだいたい屋上に居たし、真面目なコタコは授業はきっちり出るが、休み時間になればたとえ5分の短い時間でも息を切らせて健気に通いつめてきた。
俺はと言えば、その中間。
ユキほど極端じゃないけどたまのサボりや、長い昼休憩は屋上で過ごした。
短い休み時間は女の子との時間にした。
そして。
あと、ここにもう一人。足繁く通う、馬鹿がいた。
だいたいが昼休憩の、この時間。
「ヌオオオオオオオオオ……!」
屋上にやってきた、巨大な熊。
イタ校番長。
あの日、空地でユキにノックアウトされてからというもの。
コイツはほぼ毎日ユキの元にやってきては、喧嘩を吹っ掛けてきた。
最初は校門の外や街中でのストーカーだった熊は、やがて校内に忍び込むようになり。
いつの間にか、当たり前のようにこの屋上に来るようになった。
俺はうるさい熊に、呆れた口を開く。
「今日はなんだよ」
「決まっとろーが!勝負じゃ!」
「何回目だよお前!しつっけーんだよ!」
だいたいユキは「面倒」と言ってほとんどコイツの相手はしないが、気まぐれに相手をすることがある。
スポーツみたいなノリなんだと思う。
今日はどうだろう?とユキに目をやれば、
「いい加減、金太郎気分も飽き飽きだな」
やれやれ、といった具合でその場に立ち上がる。
今日は相手をしてやる日らしい。