余所者-よそもの-【 2 】


そしてそれは――高校二年の冬。
期末テストの結果発表の日に起こった。


例のごとく正面玄関に張り出されたテスト結果。

コタコはカタカタと身体を震わせ、愕然としている。


「……うそだ、うそ……だ」

さして自分たちの結果に興味のない俺とユキは、いつもと明らかに様子の違うコタコの傍に立ち、その青ざめた視線の先を辿る。


「僕は、なんてことをしてしまったんだ……」


万年二位のコタコが、初めてその定位置から転落した。

五位だった。
もしかしたら他のヤツが特別頑張ったのかもしれない。

だけど、総合得点を見れば、コタコ自身がいつものそれを下回ったことは、誰の目にも明らかだった。

単純に、コタコが成績を下げた。


「……やったじゃねーか。これで万年二位の汚名を晴らせたな」


落ち込むコタコに、俺は努めて明るく冗談を言った。
だけどコイツの耳には入らない。


「遊んでいたから……」

「そう落ち込むなって」

「もともとは成績を上げるために……ユキくんに勉強のノウハウを得るために……なんで、どうして……僕はなんてことをしてしまったんだ……っ!」

「たった一回、今回落としたくらいで大げさだ。お前ならすぐに挽回――……」

何かに憑りつかれたみたいに頭を抱えるコタコの肩に、そっと手を置いた。
するとコタコはキッ、とまるで親の仇でも見るような目でこちらを睨み、俺の手を振り払った。


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