余所者-よそもの-【 2 】
48話:冷たい空
――コタコと向き合おう。
そうと決まれば俺たちは、コタコの家に向かった。
いつかの放課後、遊んだ帰りに送り届けたことのあったヤツの家。
コタコの家は大豪邸だった。
車が二台すれ違える程の大きな門。その奥に広がる日本庭園。
庭には鯉がうようよ泳いでそうな大きな池と、丁寧に手入れをされた草花が春の陽気に咲き誇っていた。
その先に、まるで城のような邸宅がそびえている。
引き違いの窓はどれも固く閉ざされていて、中の様子を窺い知ることは到底できそうにない。
俺たちは頭上にある防犯カメラのレンズに睨まれながら、インターホンを押した。
すぐに中年ほどの女性が出た。
俺は学年とクラスと名前を丁寧に名乗り、その上で「コウタくん居ますか?」と尋ねた。
すると間髪入れず、
「居ません。お引き取りください」と冷たく返され、プツリと一方的に通話が切れた。
俺とユキは顔を見合わせた。
なんか、おかしくないか?
これじゃまるで門前払い。
コタコ本人の意志とは関係なく、この家の人間が俺たちとの接触を拒絶しているようだ。
俺たちは首を傾げながら、翌日もインターホンを押した。
昨日と同じ女性が出たので、「今日は居ますか?」と尋ねると「居ません。お引き取りください」と全く同じトーンで、全く同じ言葉を機械的に返された。
その更に翌日も、その翌日も、さらにその翌日も。
「いつなら帰ってきますか?」とか、「居ないなら連絡先を教えてください」とか。
どんなに手口を変えて尋ねてみても、「お引き取りください」以外の言葉を聞くことが出来なかった。