余所者-よそもの-【 2 】
そんなことを三週間ほど続けると、俺とユキは学校の職員室で学年主任に呼び出された。
開口一番、「柳の家に行くのはやめなさい」と注意を受けた。
「なぜだ」と理由を聞けば「ご家族の意向だ」と言われた。
俺は溜まらず先生に尋ねた。
「どうして柳は学校に来ないのか」、と。
すると先生は「成績を考慮して自宅学習に切り替えたらしい」、と。
そう、さも他人事のように冷たく一言で片付けた。
俺たちはインターホンを押すのをやめた。
その代わりに、毎日ルーズリーフを何枚かポストに投函した。
それは、授業のノートの書き写し。
それから、次回のテスト範囲と、出題予想。
ずっとコタコがユキにせがんでいた、――勉強の、秘訣。
ユキはあれだけサボっていた授業を、毎日、毎時間、欠かさずに受けるようになった。
いつか『授業に出席することに意義を見いだせない』と言っていたコイツは、まるでコタコの代わりになって黒板にかじりついた。
日々、コタコへ届けるためだけに全ての授業を受け、ルーズリーフに丁寧な文字を書き連ね、ユキ視点でのポイントを毎回ページの隅に添えて。