余所者-よそもの-【 2 】
第4章
50話:重なる温度
息が苦しい。
関節が痛い。
頭の中がぐるぐる回る。
身体の不調に意識を叩き起こされ、寝返りを打った。
水……飲みたい。
熱に重く、開かない目を無理矢理こじ開けて。
半分ほどの視界の向こうに椅子に腰掛けた長い脚がぼんやりと見えた。
「潤さん」
今、何時だろう。
ユキが帰ってくる前に、ここを出ないといけない。
「潤さん」
二回目の問いかけに、やっと脚が動いて、汗ばんだ私の額を撫でた。
苦しい息を「はあ、」と深く吐き出す。
看病させてしまってとっても申し訳ない。
一言のお礼でも言いたいけど、喉がカラカラで声を上手く出せない。
「水を、飲ませてもらえませんか」
掠れた声でお願いをすれば、背中の下に大きな手が差し込まれ、私の身体はベッドから優しく起こされた。
ギシ、とスプリングの弾む音にベッドが大きく傾く。
重力のまま自分の身体だって傾くと、頬に固い胸板が当たった。
いつの間にか腰の後ろには、畳まれた脚が支えとして添えられて、さっき腕の力だけで起こされたときよりも、姿勢はずいぶんと楽。
でも、あれ?
横からぎゅ、と抱きしめられているような、そんな恰好になった。
さっき水を飲ませてくれたときと、やり方が違う。