余所者-よそもの-【 2 】
不思議に思っていると、私を支える身体が微かに動いて、耳のすぐ傍でペットボトルのキャップを外す音が聞こえた。
首の後ろにあてがわれた二の腕に体重を預け、ぐいと天井を向く。
口の端に触れる飲み口に合わせて薄く唇を開けると、注がれる水に喉の奥を潤わせた。
「ん……」
口に収まり切らなかった水が、口の端から一筋になって零れ落ちる。
「潤さん、ごめんなさい」
小さく謝れば、首元まで垂れた雫を辿るように、指がゆっくりと下から上へ這い上がってくる。
唇の隅に辿り着いた指先に、違和感を感じた頃だった。
「かぁこ」
耳元に吹き込まれたその声に、夢うつつだった意識が一瞬で覚醒に向かう。
半分も開いてなかった瞼を、無理にぐっと押し開ければ。
「………」
声が出ない。
至近距離。
私の真上にあるのは潤じゃなくて、ユキの顔。
柔らかな髪がハラリとこちらに向かって落ちてきていて、丸見えになった色白の額。
そこの真ん中に深く刻み込まれた眉間の皺が、私の覚醒をもう一押ししてきた。
「……な!」
なんで、居るの。
私は思わず飛び起きて、目の前の胸を両手で押しのけた。