余所者-よそもの-【 2 】
「………」
「………」
沈黙が支配する寝室。
私は仰向けで寝転んだまま、ぼうっと白い天井を見上げ続けた。
気まずくて直接は見れないけど、視界の端にちらっと入ってくるユキは椅子に座ったまま私のことをじっと見てる。
こんな退屈な時間、スマホ触るとか何か別のことをすればいいのに。
目を離すと逃げ出すとでも思ってるのかな。
「寝ないの?」
やがてそう尋ねてきたユキに、こんなに近くで見つめられてちゃ寝れるわけないでしょうよ、と思った。
「……眠れないです」
「じゃあ、触っていい?」
「はい?」
触るって、何を?
と身構えれば、ガサガサとビニール袋の音が鳴った。
見れば、その中には消毒液や絆創膏、白い脱脂綿が袋いっぱいに入ってる。
怪我の手当てをしてくれるってことだ。
それにしても、一体何人分?ってくらいに、大量の医薬品を買い込んできてる。
「手、開いて」
ベッドの上に置いていた私の手首に、ユキの冷たい指先がそっと触れた。
傷だらけの右手。
手のひらを上向きにすると、ユキは自分の左手を私の手の下に差し込んで、支えた。
ぴったりと重なる、ユキの大きな手と私の小さな手。
するとどうしたことか。
消毒液を浸らせた脱脂綿を右手に構えたまま、ユキはピタリと動かなくなってしまった。
どうしたんだろう。