余所者-よそもの-【 2 】
手が、胸の奥が、ズキズキする。
どうして?
ユキに触れられる度、痛みがどくどくと溢れてくる。
「何があった?」
まるで真綿で包み込むような、全てを受け止める声。
「今じゃなくてもいいけど。でも、お前はよく我慢をするから」
ユキの指が、傷口をそっと撫でた。
触れるユキの手は、冷たい。
その冷たさが、ずっと麻痺させていたものを少しずつ呼び戻していく。
……ああ、そうか。
本当はずっと痛かった。
最初からこんなにも痛かったんだ。
私はきっと。
誰かにこの傷の痛みを暴いてほしかったのかもしれない。
そう思うと、もう。
痛くて、痛くて、泣きたくなった。
「彼が……シトウで死んだんです」
せき止めていたものが、傷口から零れ落ちる。
一度決壊して零れだすと、閉じ込められていたものが堰を切ったようにして、どんどんと私から飛び出していく。