余所者-よそもの-【 2 】
口から飛び出した謝罪は、ユキへのものじゃない。
それでも、何も言わず、黙って聞いてくれていた。
ただただ、私の痛みを受け止めるように、冷たい手で傷の手当てを続けた。
どれくらい時間が経ったかはわからない。
手当てなんてすっかり終わっているのに、ユキと繋がったままの手。
私もユキも、二人してその手をぼうっと見つめていた。
ふいに、ユキが口を開く。
「不思議だよね。どうでもいいことはすぐに忘れられるのに、忘れたいことほど上手く忘れられない」
そう話すユキの心に居るのは、きっとコタコ。
ユキの、初めての友達。
「忘れられないのは、多分、忘れたくないから」
重なった手に、緩く、確かな力が込められる。
気がつけば、そこに冷たさは感じない。
どちらの温度か、もうわからないくらい。
私とユキは同じ温度になっていた。