余所者-よそもの-【 2 】



「お前は優しいね。それでいて、やっぱり生きるのが下手だ」



……生きるのが下手。

その言葉を向けられたのは、二度目。


ずっと以前、シトウで彼と再会して逃げていたときにもユキは私に言った。

――『お前は生きるのが下手だね』


あのとき、私が一度でも逃げないと決めたのは、ユキのどんな言葉だったっけ。

――『お前は、どうなりたいの?』


その声が頭に過った瞬間、心の隅に閉じ込めていた何かがコトコトと、温かい音を立てて動きだした。


――『八賀さん。私いま自分がわからないんです』
――『せいぜい、全部受け入れろ』


――『……コタコくんと出会ったこと、後悔してますか』
――『いいや。感謝してる』



動いて、開いて、静かに。
ゆっくりと、ユキの言葉に重なっていった。



「……ユキさん、ありがとう」



私がそう伝えると、ユキは「何が?」と、綺麗に微笑んだ。



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