余所者-よそもの-【 2 】
「もう、絶対に迷惑はかけません」
だったら私も、もう間違えないようにしよう。
もう、ユキを怒らせるようなことも、サンコンやバンを怒らせるようなことも。
潤を巻き込むような面倒ごとも起こさない。
「お前の考える迷惑ってなに?」
「みんなや、ユキさんを困らせるようなこと、です」
「俺が困ることってなに?」
「……シトウ絡みですかね」
「うん。それは嫌」
ですよね。
視線が勝手に床へ落ちた。
「……あ、でも。違うな」
ふいに紡がれた言葉に、私は吸い寄せられるように顔を上げる。
私をじっと射貫くユキのその瞳は、なんだかキラリと光って見えた。
「一番俺が困るのはお前を知らないことだ。秘密はやめて、ちゃんと教えて。これからはお前のこと全部」
「全部……?」
「俺、お前の知らないこといっぱいあったから」
それは、彼のことやシドのこと、涙が出ないこと。
この数日でいくつか話した事柄のことだろうか。
秘密にしていたつもりはなかったけれど。
もし、最初から。タカのことをユキに話していたとすれば、どうなっていただろう。
そんな話を聞いても、ユキは『俺には関係ない』って態度をとると思っていた。
でも、いま私の目の前に居るユキは。
なんとなく、私に寄り添ってくれた気がする。