余所者-よそもの-【 2 】
繋がった手から、じわじわとシドの熱が染みてくる。
私を気遣うシドに、一刻も早く伝えなきゃと思った。
「……シド」
動かないシドを振り返ったのと、シドが私の両肩を掴んで振り向かせたのと。
それはほぼ同時だった。
彼は正面を向かせた私の身体を上から下まで凝視する。
次の瞬間、慌てた様子で私を片腕に巻き込むと、ベッドに投げるように放った。
服を乱暴にめくり上げ、私の素肌の隅々まで焦ったような目で確かめていく。
声を出す暇もなかった。
シドの行動の意味がわからなくて、私はただただ狼狽える。
私の上に跨ったシドは、この身体に何も起きてないことを知ると、ようやく手を止めた。
「何された?」
「何も……」
「言え、何があった」
「何もない」
「……どこの誰に何されたっ!!」
その怒声で、やっと意味を理解した。
……シドは、勘違いをしている。
私はベッドの上で肘をついて、上半身だけを起こした。
「違う、シド。私は何もされてない」
「………」
「本当に」
「じゃあ、さっきのはどういう意味だ」
「もう、こういうこと、しないでおこうと思うの」
そう言った自分の声は、想像以上に頼りなかった。
もっと強く自分の意志を反映させた声を頭の中ではイメージをしていたのに、あまりに目の前のシドが私を心配するから。
心が痛くなってしまった。