余所者-よそもの-【 2 】
「違う!そうじゃない」
「変わらねぇな」
「……なにが」
「何をどう足掻こうが、現実は何も変わらねぇ」
シドのその声は、虚しさをこれでもかと孕んでいた。
「まぁ、今まで散々いろんなモンを壊してきた手だ」
「………」
「今更、何かを救えるなんざハナから思ってねぇよ」
違う、私の話を聞いてほしい。
「シド。私、シドが居たから大切なことに気が付くことができた、考え直すことだってできた」
「馬鹿言うな」
「本当だよ」
「お前は『受け入れて』、『向き合って』、馬鹿みたいにてめぇに酔いたいだけだ」
「そうじゃない」
「そのくだらねぇ自己満が、てめぇを殺す」
シドはこれまで一貫して『全部捨てろ』、『男のことは忘れろ』と私に言い続けてきた。
ずっとこだわってる。
私にその選択をさせることに。
そして、それを絶対的な”救い”だと信じてる。
「たしかに自己満足かもしれない、でも」
「お前、知ってるか?」
シドは俯いたまま呟いた。
「人間はな。救われねぇ理由を探し始めたら、終わりだ」
「………」
「罪だの、責任だの、忘れちゃいけねぇだの」
「………」
「そんなもんはクソくだらねぇ、ただの足枷だ」
「………」
「男はお前に依存して頭が狂って死んだ。今度はお前が死んだ男に依存して、死んでいく」
「どうしてそう思うの……」