余所者-よそもの-【 2 】
「そもそもの話、」
シドは私を振り返った。
振り返って、憎悪が込められた目で私を睨みつけた。
「お前がそんなんだから男は壊れた。気持ちよかっただろうな?馬鹿みてぇにトチ狂って、それでも一緒に沈んでくれるヤツがいるんだ。どこまでも安心して沈んでいける」
「………」
「男を見放さない。その選択の一つ一つが、男の首を締めた」
シドはそう吐き捨てると、私の胸倉を掴み上げ、静かな怒りに満ちた瞳を私にぶつけた。
「………」
視線が交わっているようで、交わらない。
シドの瞳の奥は、私のことなんて映してない。
この漆黒に沈んだ目。
私は、この目を知ってる。
ねぇ、シド。
今、誰と話してるの?
「お前が男を殺した」
「……ちが、」
違う。
そう言いかけた口を止めた。
違うって、本当にそう言える?