余所者-よそもの-【 2 】
「……野間くんは、強引が嫌いなんじゃなかったの」
「はい。大嫌いです」
「じゃあ……」
「なので、今日もカナコさんの意志で僕についてきてもらいます」
「脅す気?」
野間は「いえ」と否定をして、左手で自分のズボンのポケットから何かを取り出した。
「僕について来たら、これを差し上げます」
ス、と差し出される左手の拳。
ゆっくり旋回して、上向きになった手のひらがそっと開かれた。
「僕と茶ァ。行くっすよね?」
野間の手のひらに、ぽつん、と乗っていたのは、一つの指輪。
呼吸が、止まる。
「な……んで、野間くんが持ってるの……」
それは、死んだ彼が私の二十歳の誕生日に贈ってくれた、誕生日プレゼント。
雪の降りしきるシトウの街に、車から一人放り出されたあの夜。
彼に取り上げられたはずの。
私の指輪だった。