余所者-よそもの-【 2 】


L字の角から顔を出したサンコンに『おはようございます』と第一声をかけようと、緊張に固くなる口を開いたとき。


「……え?」


私の顔を見るなり、鬼の形相でこちらに走ってきたサンコン。


「え、え?」

なんだなんだと、思わず後ずされば、瞬く間に詰まった距離。


「誠に、申し訳ございませんでしたっ!!!」


視界の下から、――ズザザザ……!と、スライディングのような低い姿勢で滑り込んできた。

あっという間に目の前に完成したのは、大きな身体を限界まで丸めた、土下座姿。


「あ、あの……」


謝罪を口にした後、土下座の恰好のままピクリとも動かなくなったサンコンにハテナが止まらない。

なに、どういうこと?
なんで私より先に謝ってるの?


わからないまま、私だってその場に膝をついて、正座をした。


私だって目の前のサンコンに謝らないといけない。

鏡映しのようにサンコンと同じ格好になって、深々と土下座をした。


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