余所者-よそもの-【 2 】
私は痛々しいバンに、サンコンと同じような言葉で慎重に謝り、頭を下げた。
バンは何か言ってたけど、どう耳を凝らしても「はふはふ」としか聞こえず。
まともに会話が出来なかったので「また怪我が治ったら話を聞いてほしい」と伝えた。
シフトも入っていないのに、きっとわざわざ私に謝りにきた……いや。
謝りに来させられたバンを入口まで送って「本当にごめんね」と言うと、彼は一度だけこちらを振り返り、何も言わずAnBarを去った。
私はフロアに戻るなり、サンコンに尋ねた。
「あの、サンコンさん。ユキさんに何か言われました?」
あまりにも私に都合が良すぎる展開。
ユキに違いないと思った。
だけど、
「いえ。何も」
想定した回答じゃなかった。
サンコンは嘘を吐ける人じゃない。
ユキに口止めされてるのだろうか。
答え合わせは、その日の営業終了後だった。