余所者-よそもの-【 2 】
「サンコン、飯」
いつものように、仕事終わりにAnBarにやってきたユキ。
サンコンがバックヤードに引っ込み、パソコンを開いたユキの傍に立った。
「ユキさん」
「お疲れ」
「……サンコンさんと、バンくんに何か言いましたか?」
「言ってないよ」
「嘘だ」
私がそう言うと、ユキは私の目を真っ直ぐに見返してきた。
「本当。仲直りは上手くいった?」
「いきました……けど、いきすぎて変です」
疑いの目を向けることをやめられない。
するとユキは天井を見上げながら、白状した。
「俺は何も言ってない。ただ、聞いた」
「……聞いた?」
「俺は事実確認をしただけ」
「………」
「バンとサンコン、謝ってた?」
「はい」
「よかった。『言うな』って縛りがあったから、ニブいサンコンに意図を伝えるのに骨が折れた」
「………」
つまり自分で気付くまで、ひたすら質問し続けたってことか。
そんなの事実確認というより、誘導尋問だ。
今度からユキにお願いをするときは言葉に気を付けよう。
揚げ足を取られてしまう……。