余所者-よそもの-【 2 】


大きなグラスを手に取って、赤ワインを注ぎながら、ぼうっと考える。

リンコのあの言い草だと。
さっきまでユキとリンコは一緒に居たということだ。

『起こしても起こしても』ってことは、ずっと一緒にお酒を飲んでいて、リンコを置いて帰ったユキを追ってきた、ということ。


こうして急に押しかけられるのも、いつものことなんだろうか。

ユキは迷惑そうな顔ひとつしない。


そんなことを考えながら、グラスワインをリンコとユキ、二人分用意して。
仲良く掛けるテーブルの前に静かに置いた。


「アンタも飲みましょー」

グラスを置いたばかりの腕をぐい、と引かれる。


抵抗する間もなくリンコの隣へ座らされ、小さく身体を縮めた。

私とユキの間に当然のように座るリンコは、香水とアルコールの匂いをまとって、満足そうにグラスを揺らしていた。


――『アタシ、あの子嫌ぁい』

前にそんなこと言ってたのに。

……まぁ、酔っ払いだし。


二人とも楽しそうだし、私は頃合いを見て席を外そう。


「アンタ、酒はぁ?」

「後でいただきます」


アルコールにとろん、としたリンコの顔に、適当なことを返しながら気が付く。


「リンコさん、ピアス……」


リンコの分厚い福耳に、ずっしりと下がった大きなピアス。
ハーフアップにした髪を飾るそれが、片方にしかない。


「あ……」

リンコは自分の耳に触れ、『ない』と確認すると、もう片方のピアスを外した。
ゴトリ、と重量感のある音を立ててテーブルに転がる。


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