余所者-よそもの-【 2 】
「……し、しませんよ、そんなの」
「なんで?」
「なんでって……」
なんでって。
そんなこと言われても。
「ユ、ユキさん、お酒臭いから……」
咄嗟に口から飛び出した、適当な理由。
ユキは納得した様子で私から一歩離れた。
「じゃあ今度、お酒臭くないときにしよう」
くるりと背中を向けて、一人テクテクと出口に向かって歩いていった。
……どうせ覚えてもないんだろうな。
小さくなっていく背中を見送りながら、ハッとする。
ソファで眠ったままのリンコ。
これどうするんだ。
「え、ユキさん!この人は!?」
「そこに置いておいて」
そんな、モノみたいに。
ユキは本当にリンコを置いて、AnBarを出て行ってしまった。