余所者-よそもの-【 2 】


ようやく解放された私は、開店準備を手伝おうとカウンターに向かった。

一人カウンターでビールを飲んでいた潤が、とんとん、と肩を叩いた。


振り向けば、潤は満面の笑みで片手を掲げてきた。

ハイタッチの合図に、パチンと軽く手を合わせると、グビッとビールを煽った。


「カナコちゃんのおかげで、でっかい契約決まったな」


後ろで契約の話を進めるユキとリンコに聞こえないように、声を潜める潤。


「私なにもしてないですよ。ただ捕まってただけで……大きい契約なんですか?」

「リンちゃん隣町で一番の客持ちだからな」

「それはすごいですね」

「なー」

「……潤さん?」

「なんだ?」

「泣いてます?」


瞳がうっすらと潤んでる気がする。


「俺、なんだか感動しちゃって」


たしかに、リンコのスタッフや仲間に対する熱い思いは込み上げてくるものがあった。

だけど目の前の潤が涙ぐむ理由は、もしかしたら別のところにもあるのかもしれない。



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