余所者-よそもの-【 2 】
私は手を引いたまま、細い路地の隙間を抜けた。
左右を確認して、人の少ない方へ走る。
「いたぞ!!こっちだ!!!」
しかし、前方から走ってきた複数人の男が、こちらを指さして声を上げた。
距離はさほどない。
彼女の足だと、引き返したところですぐに捕まってしまう。
「行ってください!!」
私は盾になるように彼女を背中に回して、叫んだ。
「………」
おぼつかない足で後ろに回った彼女は、返事をしてくれない。
「早くッ!!」
前を向いたまま、声を張り上げた。
――その時だった。
「あの女の後ろです!!」
「タラタラすんな!さっさと……」
前から出てきた、見覚えのある姿。
「どうして……ここに居るっすか。カナコさん……」
「……野間くん?」
どうして、彼がここに。
けれど彼に話せば、彼女を逃がしてくれるかもしれない。
一瞬、そんな淡い期待が頭に過ったとき。
背中に寄り添う彼女が、ぽつり、と諦めたように呟いた。
「もう、時間切れみたい」
……え?