余所者-よそもの-【 2 】
「……え?」
私の頭はまだ寝たまま。
嵐のような出来事に、理解が追いつかない。
横では、ばっちりメイクのリンコが鼻歌を歌っている。
「ショッピング行くって言いました?今から?」
「そうよ」
「あれ?私いま寝起きです」
「知ってる」
「寝巻のドすっぴんです」
「そうね」
「この格好で行くんですか?」
「外見なんてどうでもいいわよ。どうせ全部着替えるんだから」
……どういうこと?
ふと、タクシーの料金メーター近くの時計を見た。
時刻は十三時。
いつもならまだ眠っている時間。
「今日ってリンコさんのお店のオープン日ですよね?」
「そーよ」
今日は待ちに待った、リンコのニューハーフBARのオープン。
そのため、今日はAnBarは休業にして、夜みんなでお祝いに駆けつける予定だったはず。