余所者-よそもの-【 2 】


コツ、コツ、とフロアタイルから音が鳴る。

一歩、また一歩と近づくたびに、皆の目が見開かれていった。


最初にリアクションをしたのは、潤だった。


「カ……カナコちゃん、その服……その顔……」


ええ、はい。


「あはははははははははっ!!」

指さしての大爆笑。


「劇団じゃん!」


そう。
私はまるで、ニューハーフBARのスタッフのような見た目に変身させられた。


劇団かと思うほど、ホリ深く、濃いメイク。

そして、服装はと言えば。


「目のやり場に困るわ!」


潤の言う通り。

眩しい程の純白のドレス。
袖はふんわりと可憐に広がっているのに、胸元だけは鋭いV字に深く切り込まれていて。

これでもかと胸の谷間が露わになっていた。


私は「絶対いや」だと、何度も言ったのに。リンコは、

「アンタ色気ないけど胸はあるんだから、もっと出した方がいい」

と言って聞く耳をもってくれなかった。


その代わり。
上から羽織る、透け感のある薄いカーディガンは何も言わなくてもセットだった。

身体の傷を隠すために用意してくれたんだと思う。


潤は笑った。
サンコンは無反応。
バンは顔ごと目を逸らし。

――ユキは眉間に皺を寄せたまま、一度だけ視線を逸らした。


概ね、評価が低いことは理解した。

というか、こうなることはわかってた。


「さーーー!飲むわよぉ!」


リンコの威勢のいい声で始まった夜会。

夜はまだまだ長そうだ。



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