余所者-よそもの-【 2 】
「ブッチギリで、熱ぅい夜をアタシが保証する!」
リンコの艶やかな唇から、チュ、と小気味いいリップ音が鳴る。
マイクを両手に構え直し、たっぷりと溜めをつくってから顔を上げ、フロア全体へまっすぐ声を届けた。
「さぁ、アンタたち。最高の自分、見せてちょうだい!――SHOW-Me、開店よっ!!」
――パン!とクラッカーの破裂音とともに、アップテンポなダンスミュージックが弾けるように鳴り響く。
何人ものキャストが一斉にステージへ飛び出した。
最初に目を奪われたのは、妖艶に腰を揺らして踊る人。
かと思えば、その隣では突然ブレイクダンスが始まって。
「すごい、何これ……!」
ワクワクと、ステージに釘付けになる。
真面目な顔でパントマイムをする人がいれば。
その横では変な顔をしながら一発芸をする人までいる。
バラバラ。
本当にみんな好き勝手だった。
なのに不思議と誰一人として浮いていない。
全員が自分らしく輝いて、それが一つの最高のショーになっている。
気づけばフロアは温かい歓声と笑い声に包まれていた。
ふと、私は周囲を見渡した。
潤も、サンコンも、バンも、ユキも。
みんな、それぞれの。
とても優しい顔で笑っていた。
――なんて贅沢で、幸せな夜だろう、と思った。