余所者-よそもの-【 2 】
私たちのテーブルには入れ替わり、立ち替わりでキャストが数名ついた。
潤はいつも通り盛り上げていたし、サンコンは妙に気に入られてベタベタ身体を触られている。
バンに至っては何があったのか。
大柄のニューハーフの人にめちゃくちゃ可愛がられ、熱烈なキスをされていた。
それを見て、またみんなで声を上げて笑い転げた。
もうずいぶんとお酒も進み、みんなかなりの酔っ払い。
私だってそう。
もうずいぶんとトイレが近い。
席を立つと、ユキが鋭く睨んできた。
「だ、大丈夫です。トイレに行くだけ」
さすがに二度目はない。
「俺もトイレ」
するとバンも一緒に席を立った。
バンは今日このお店での初トイレ。
場所がわからないようで、キョロキョロしてたので「こっちだよ」と案内してあげた。
トイレの前に着き、男女に分かれた入口へそれぞれ入ろうとした、その時だった。
後ろからバンが声を上げた。
「おい、バカナコ!」
「なに?」
私は足を止めて、バンを振り返る。
『バカナコ』って、久しぶりに呼ばれた気がする。