余所者-よそもの-【 2 】
それから。
何度かリンコが席に戻っては立ち、戻っては立ちを繰り返し。
みんなで飲ませ、飲まされ、とことん夜に溺れた。
バンが一番最初に潰れて。
二番目は私だった。
いつかみたいに眠ってしまった。
次に目を開けたときには。
すでにチェックを済ませ、みんな帰り支度を始めたころだった。
サンコンさんの肩に荷物のように担がれるバンを、ぼうっと眺める。
「カナコちゃん、帰るよ」
「リンコさんは?」
「リンちゃんは表で待ってる」
そっか。と、納得をしてみせると。
ユキが腕を引っ張ってきた。
どうやら、私を担ごうとしているらしい。
「わたし、歩いて帰れます」
「うるさいよ」
顔が、近い。
言葉とは裏腹に、ユキのその表情は穏やかだった。
結局そのままユキの背中に乗り、出口へと向かう。
「今日はありがとね!」
「おー楽しかったわ、リンちゃん」
「また来て」
「もち」
潤やサンコン、バンがリンコと挨拶を済ませると、リンコが私を見た。
「あらあら。平気?」
「平気です。ちょっと眠いくらい」
「楽しかった?」
「とっても、とっても。リンコさん」
「なぁに?」
「私を『素敵な場所』に連れてきてくれて、ありがとう」
私がそう言うと、リンコは「うん」と艶やかに微笑んだ。
みんなでリンコの店、SHOW-Meを出た。
空はもう真っ暗。
でも、瞳の中に残る店内の残光のせいか、夜空がとてもキラキラして見えた。
温かい余韻を連れたまま。
店の前で別れ、それぞれ帰っていく。