余所者-よそもの-【 2 】
時間があれば、私は街に出た。
シトウの街が好きだと言っていたカエデは、シトウのどこかに身を潜めているんじゃないかと思った。
アオイの言っていた通り、シトウは街を上げて動いているようだった。
どこもかしこも、”何かを探している人”がうろうろしている。
街を練り歩いても仕方がないと思ったので、私は物陰や、ビルや建物の隙間を念入りに探した。
それでも、毎日無言電話は鳴り続け、シトウの街も落ち着かない。
……カエデは、見つかっていない。
「大丈夫?」
『………』
「今日も電話、ありがとう」
『………』
「こうやって、繋がるだけで、安心する」
『………』
「一人で抱え込んじゃ、ダメだよ」
『………』
「今日は何を話そうかって考えてた」
『………』
「考えてたんだけど、忘れちゃった」
『………』
「ごめんね。今日すごく眠くて。もしかしたら先に寝落ちしちゃうかもしれない」
『………』
「眠れそうだったら、一緒に眠ろう」
気付いたら私は眠っていて。
昼過ぎに目が覚めると、通話は繋がったままだった。
「おはよう」
『………』
無言電話に、そっと囁いた。