余所者-よそもの-【 2 】


外に出ると、ザアザアと雨が激しく降りしきっていた。


「……よいっしょ」


屋根の下。
すっかり雨を吸って重たくなったマットを持ち上げて、そこから落ちる雨水を眺めていた。


ふと気が付く。



「………」



路地を挟んだ、向こう側。

傘もささず、静かに佇んだ人影。



「……アオイ?」



私は軒先にあった傘を手にとって、慌てて駆けだした。



「アオイ!どうしたの!?」



傘をさして、アオイから雨を遮る。

雨を受ける傘から、ボタボタボタ、と音が鳴る。


いつからここに立ってた?

もう、髪も服もなにもかもずぶ濡れ。


それに――……


「何してるの!カメラがっ……」

「もう、いい」

「なんで、大事なカメラなんでしょ!?」


首元の一眼レフからは、水滴がぽたぽたと落ちていた。

思わず私はシャツの裾を使って、カメラに浮かぶ水滴をごしごしと拭いた。


息のかかるほど近づいて、やっと、アオイが震えていることに気付いた。


< 282 / 317 >

この作品をシェア

pagetop