余所者-よそもの-【 2 】
「そんなこと、言って……ない、」
「黙れ」
「わたし、あのとき、シドが居なきゃ……今も」
「見るな……」
「だから、シドを……一人ぼっちになんか、しないよ」
「俺を見るなッ!!!」
次は足が飛んできた。
それが自分のどこに当たったのかも、よくわからなかった。
あまりの衝撃に呼吸の仕方を忘れた。
身体が、泥水の上を転がっていく。
シドの声が、遠い。
いくつか何か言っていたけれど。
耳が拾えたのは、この冷たい一言だった。
「捨ててこい」
私の体が、誰かに宙に浮かされる。
いかないで。
遠くにいかないで、シド。
「………」
――願い虚しく。
もう、シドの姿は見えなくなった。