余所者-よそもの-【 2 】
「……仕向けた?」
――多夜が、私に……仕向けたこと。
「私に、『シド』って呼ばせたこと?」
「………」
ずっと考えていた。
カエデがシドのことを『シド』と呼んだ日から。
……いいや、違う。
もっと、前だ。
あれは、シドが買い物に連れて行ってくれた日。
喧嘩を止めろと、多夜に指示をされて。
アオイと、――カエデの妹と、初めて会った日だ。
――『なんでアイツを、その名前で呼んだ!!』
多夜は、初めて出会ったあの日、私に言った。
――『アイツのことは”シド”と呼べ』
――『それが、それだけがお前にとって重要なことだ』
どうして、多夜は。
私に、カエデの影を着せた?