余所者-よそもの-【 2 】
ここは、騒動から離れた場所。
人気のない、薄暗い、裏路地。
「ね、念のため聞きますが……面倒なことにはならないんですよね?」
「ああ」
「Z地区の人間にバラしたりとか」
「………」
「も、もちろん、せっかくのご厚意ですし、いただきますが」
「むしろ」
「はい?」
「拒否する方が、面倒事になるが」
「わ、わかってます……約束がしてほしいだけで」
なに。
何の話?
「し、素人ですか……」
「いいや?」
「そうは見えない……」
おどおどとした男がそう言った瞬間。
多夜がその場でしゃがみ込み、足元の私の顎先を掴み上げた。
力に逆らえず、口が自ずと開いていく。
「んんん……っ」
二本の指を、喉の奥まで深く差し込まれた。
何かが、体の中に入っ――……
「これで、素人じゃなくなった」
多夜の鋭い眼光が、私を射貫いた。
「ほどよく、壊してくれ」