余所者-よそもの-【 2 】
ユキはさっきの男含め、その場にいた数名を瞬く間に殴り伏せていく。
デックがユキに飛び掛かり、無惨に弾き飛ばされたタイミングだった。
フロアに突如、軽快な音楽が大音量で響き渡った。
すると。
――バン!!と、フロアに接するいくつかのドアが一斉に開く。
フロアの壁沿いに並んでいた個室ブースのカーテンも、――シャッ!!勢いよく開け放たれた。
吹き抜けになった二階廊下からは、――バタバタッ!!と無数の足音が響く。
突如として、至るところから湧き出る、人、人、人。
その全員が、吸い込まれるように、たった一箇所に向かって集っていく。
音楽は狂ったように鳴り続ける。
それは、学生の頃に踊った、あのフォークダンスの曲だった。
――マイム、マイム、マイム、マイム
――マイム・ベサソン……
音に踊らされるように。
一人、また一人と、男たちが輪へ加わっていく。
その輪はみるみる大きくなり。
やがて。
何十人もの男たちが。
たった一人のユキを、飲み込んだ。