余所者-よそもの-【 2 】
「……ッ、」
なんで。
お願い。
いやだ、やめて。
ユキさん。
そう大声で叫びたい。
その背中に、今すぐ飛び込みたい。
なのに。
口が、身体が、動かない。
こんなに目の前にいるのに。
届かない……
――コトン。
横たわったままの私のすぐ近くで、ビリヤード台が小さく音を立てた。
頭のカーブに沿って転がすように、ゆっくりと後ろを向く。
いつの間にか。
すぐそこに、一人の男が佇んでいた。