余所者-よそもの-【 2 】
地下の売人はカナコに目を落とした。
「この人に、なに入れた?」
デックは目を丸くした。
どうしてそんなことを尋ねるのだろう、といった顔だ。
それでも即座に立ち上がり、ビリヤード台のポケットの奥深くに手を突っ込んで、赤いキャンディのような包みを差し出した。
「これです」
地下の売人は包みを開き、中から一粒を指でつまみ上げると、天井のライトに透かして眺める。
やがて口に放り込み、舌でなぞると、ペッ、と床に吐き出した。
「嘘つき」
「ホントですよぉ!地下の売人相手に嘘吐けるほど腐っちゃいません」
考えるように黙りこくる地下の売人に、デックは唾を飲んだ。
「……この人にはもう一つ。別のドラッグが入ってる」
「そうなんですかぁ?」
「この人はどうしてここに?」
「アイツが連れてきましたぁ」
デックは、フロアの隅っこ。
ガタガタと震えながら頭を抱える男を指さした。