余所者-よそもの-【 2 】
制裁を終えると、デックが地下の売人の元に駆け寄ってくる。
「チカ様」
「なに?」
「あのぅ……」
「なんだよ」
「言っておいたほうがいいかなって思うことがあるんですけどぉ。怒らないですかぁ?」
「内容による。けど、今の僕は機嫌がいいよ」
それを聞いて安心したように、デックは口を開いた。
「あの女の人。紫藤と何かしら関係のある女です。連れて歩いてるの見ました」
「………」
地下の売人の瞳が、鋭く細められた。
「紫藤が気にかけている女を、多夜がここに運んできた……」
「………」
「お前。よくそんなもの、おもちゃ箱に入れたね」
「ですよねぇ。俺もそう思いました」
気まずそうに苦笑いをするデック。
そこへ、フロアの奥から――ドン、と鈍い音が響いた。
「あそこで暴れてる男は?」
「謎ですぅ。ただ、あの女の人を助けに来たことは間違いありません」