余所者-よそもの-【 2 】
「お前、合格っ!」
「………」
もう十分。
そんな風に、満足した顔だった。
「デックゥ!!」
「あいぃぃ!」
何かの号令をかけた瞬間。
地下の売人は、ユキの脇の下へ滑り込んだ。
素早く背後へ回り込み、ユキの腰へ両脚を巻きつける。
同時に、首を後ろから羽交い締めにした。
ユキは即座に、首にかかった腕を外そうと筋肉を跳ね上げた。
――しかし、ユキはもう、動けない。
「………」
「……ど?見えた?」
地下の売人がユキの頭を固定し、強引に、ある一方向へと視線を合わせていた。
ユキの身体から、力が抜けた。
ぐらぐらと揺れるその瞳に映っていたのは、
――カナコだった。
「殺しちゃいますよぉ」
ブンブン、と楽しそうに手を振るデック。
ビリヤード台に横たわるカナコの喉元に、ナイフの刃が突きつけられていた。