余所者-よそもの-【 2 】



「よし。動くなよ?」



地下の売人がユキの耳元で低く囁けば。

拘束を解き、一歩離れて。


――バキッッ……!!


これまで入れたくて入れたくて仕方がなかった渾身のパンチを、無防備なユキの顔面に叩き込んだ。


地下の売人はそのままユキの胸ぐらを突き飛ばし、床へと押し倒す。

崩れ落ちたその上に、迷わず馬乗りになった。


右から左から。

絶え間なく――殴る、殴る、殴る。



「……はぁっ。気持ちいー」



恍惚と目を細めた、その白い髪だけが。

スポットライトの下で、静かに光っていた。



< 317 / 340 >

この作品をシェア

pagetop