余所者-よそもの-【 2 】
「よし。動くなよ?」
地下の売人がユキの耳元で低く囁けば。
拘束を解き、一歩離れて。
――バキッッ……!!
これまで入れたくて入れたくて仕方がなかった渾身のパンチを、無防備なユキの顔面に叩き込んだ。
地下の売人はそのままユキの胸ぐらを突き飛ばし、床へと押し倒す。
崩れ落ちたその上に、迷わず馬乗りになった。
右から左から。
絶え間なく――殴る、殴る、殴る。
「……はぁっ。気持ちいー」
恍惚と目を細めた、その白い髪だけが。
スポットライトの下で、静かに光っていた。