余所者-よそもの-【 2 】
――静かになった、おもちゃ箱。
地下の売人はソファに腰かけ、だらん、と天井を仰いで動かなくなった。
その腑抜けた様子に、デックが心配そうに尋ねる。
「良かったんですかぁ?帰しちゃって」
「なんで?」
「んー。上手く言えないですが。チカ様はあの男を殺したそうでした」
「そうだね」
「逆にあの女の人のことは、ものすごく欲しそうでした」
「正解」
地下の売人は上向いたまま「ははっ」と愉快そうに笑った。
「あの男は彼女を必死になって生かすだろ」
「まぁ、でしょうが。ドラッグを安全に抜いてあげたいのなら、チカ様の方が確実では」
「デック。お前はだから木偶の坊なんだ」
「わるくち……」
「なぁんにでも、タイミングがある」
「……はあ」
「僕は今から忙しい」
それを聞いて、デックはポン!と閃いたように手を叩く。
「シトウの騒動を収めに行くんですねぇ?」
「ううん。行かない」
「え?」
「だって。ここで待ってれば、アッチから来るよ」
「ここで?……どういうことです?」
「僕のカンが当たれば、だけど。まぁ、当たる」
そう言って、地下の売人は幸せそうに目を細めた。
「だって、今日の僕は……最ッ高にツイてる!!」
デックは呆けた。
何を言ってるんだろう、この人は。
その時だった。