余所者-よそもの-【 2 】
――ドォン!!と、本日二度目。
入口の重たい扉が勢いよく蹴り開けられる音がした。
デックは何事かと、驚いて入口の方を振り向く。
「ほぉらね」
地下の売人はソファに項垂れたまま。
振り向きもせずに笑っていた。
けたたましい物音が入口で鳴り響くと。
徐々に無数の足音と、人のうめき声がフロアに向かって迫って来る。
デックは慌てた様子で、足踏みをして、
「警報!鳴らしますぅ!?」
と尋ねたが、地下の売人は返事をしない。
その呑気な様子に、いよいよ痺れを切らせて「チカ様!」と切羽詰まったような声を上げた、その瞬間だった。
「女はどこだ」
地を這うような獣の声が、おもちゃ箱に響き渡る。
声の主は、この街。
糸冬町を統べる者。
――紫藤 怜。
側近の多夜と、数名の部下を連れておもちゃ箱に乗り込んできた。
なぜか?