余所者-よそもの-【 2 】



やがて、多夜が地下の売人に詰め寄ってきた。


「女は」

「なに?」

「ここに、来たはずだ」

「どの女だよ」

「………」


多夜はしきりに探していた。

ただし、女ではない。


男だ。

あの、弱気の男はどこへ行った。


「デック」

「あいぃ」


合図を受け取ったデックが、物置からずるずると『ソレ』を引っ張り出してきた。


「………」


多夜の前に転がされた、男の身体。

目当てだったその男は、顔面を大きく腫らし、気を失っていた。


地下の売人が静かに切り出す。


「ソイツさぁ」

「………」

「とんだ回しモンでね」

「………」

「要る?このままお前にあげようか」


多夜が、地下の売人を鋭く睨み上げる。


「……ま、要らないか!」

「………」



「役に立たないもんねぇ?」



地下の売人は、ケラケラケラケラ……と、悪魔のようにあざ笑った。



< 324 / 340 >

この作品をシェア

pagetop