余所者-よそもの-【 2 】
やがて、多夜が地下の売人に詰め寄ってきた。
「女は」
「なに?」
「ここに、来たはずだ」
「どの女だよ」
「………」
多夜はしきりに探していた。
ただし、女ではない。
男だ。
あの、弱気の男はどこへ行った。
「デック」
「あいぃ」
合図を受け取ったデックが、物置からずるずると『ソレ』を引っ張り出してきた。
「………」
多夜の前に転がされた、男の身体。
目当てだったその男は、顔面を大きく腫らし、気を失っていた。
地下の売人が静かに切り出す。
「ソイツさぁ」
「………」
「とんだ回しモンでね」
「………」
「要る?このままお前にあげようか」
多夜が、地下の売人を鋭く睨み上げる。
「……ま、要らないか!」
「………」
「役に立たないもんねぇ?」
地下の売人は、ケラケラケラケラ……と、悪魔のようにあざ笑った。