余所者-よそもの-【 2 】
多夜は奥歯を噛み締めた。
やがて、紫藤が虚ろな足取りでフロアに戻ってくる。
「多夜」
「………」
「いない」
「………」
「アイツは、どこだ……!!」
多夜は何も言えない。
自分の目論見が、根底から崩れていた。
紫藤は頭を抱え、まるで独り言のようにブツブツと喋り続けている。
Z地区に放り込まれたのは確かな情報か。
ドラッグを入れられたのは本当なんだな?
じゃあ、どこに行った。
そのどの言葉からも、多夜は目を逸らすしかなかった。