余所者-よそもの-【 2 】
65話:覚醒
ユキはカナコを連れて、自宅マンションへ戻っていた。
ベッドの上。
目を開けたまま動かない彼女を、大事そうに腕の中で抱きしめて、ただじっと見つめていた。
……俺は、何がしたかったんだろう。
仕事終わり。
彼女を迎えにAnBarに向かう道すがら。
知らない若い女が、半狂乱になって俺の腕を掴んだ。
「ねぇさんと同じ目に遭わせる気だ」
そう何度も繰り返した。
聞き出した先にあった答えは、一つ。
カナコがドラッグを打たれ、マワされる。
……頭が、真っ白になった。
気付けば走っていた。
一秒でも早く、コイツの顔を見たかった。