余所者-よそもの-【 2 】
「ユキちゃん、だぁれ?この子」
「店の従業員」
「ああ、この先のclubの?」
「そう」
ユキと並ぶくらいに高身長なその人が、小さな私に合わせてゆっくりと腰を屈めた。
ふわっと髪から香った甘くて上品な香りに、女っぷりの良さを感じた。
「あなた、何ちゃん?」
「……カナコです」
「カナコちゃん。あたし、リンコ」
「はじめまして……」
そう挨拶をすると、色っぽい唇が緩く弧を描いた。
「やぁだ、仰々しい。ユキちゃんのお店の子でしょ?これから長い付き合いになるかもしれないのに」
それって、どういう意味……?
「ユキちゃん、今から行かない?AnBar、だったっけ」
「ダメだ」
「なんで?連れて行くって約束したじゃない」
リンコが不満そうに口を尖らせれば、ユキは私のことを見て、すぐに何事もなかったかのように視線を逸らした。
「……今日は、ダメだ。他の店ならいくらでも付き合うから」