余所者-よそもの-【 2 】
テーブルの上では、すでにシャンパンが開けられていたから、私は自分のグラスだけを手に持って、言われるがままにリンコの横に掛けた。
まもなく乾杯をして、一口飲むと隣を盗み見る。
何を話そうか。
それでも、開口一番の話題はあまり迷わなかった。
「リンコさんって、ユキさんとはどういったご関係なんですか?」
これが一番わかりやすく、差し障りのない質問だと思った。
けれどリンコの回答を聞いて、酷く後悔することになる。
「ええ……。そんなの、わかるでしょ?」
まるで恋する少女のように恥じらう仕草で、ふっと長いまつ毛を伏せたリンコ。
そのリアクションに浮かぶ関係はたった一つしかない。
話題をこちらから振っておきながら、「そう……ですか」と適当な相槌を返すことしかできなかった。
「でもさ、でもさ」
リンコはキラキラとした瞳でこちらに身を乗り出してきた。
一気に近づく、隙のない顔。
ぱっちりと上がったまつ毛に飾られた、大きな瞳。
開いた胸元から、今にも零れ落ちてしまいそうなほどの大きな胸。
その容姿に釘付けになりながら「なんですか?」と振られた話題に乗る。
「ユキちゃんってモテるじゃない?」
「そうですね」
「だからさ、アタシ心配で」
「そうですよね」
「あんないい男なんだし、独り占めできるなんて思ってないんだけど」
妙に謙虚。それでいて余裕を感じる物言いに「はあ、」と曖昧に相槌を打った。